東方輝針城speedrunで重要なお祓い棒分裂の詳細(現状判明分 + 推測)
※内容がとても複雑なため現在も正確に判明していない仕様が多いです
※Extraの製作時に新最適化方法が発見されました
□目次
1.分裂の仕組みに関する基礎知識
2.分裂の火力に関する基礎知識
3.分裂拡散お祓い棒(本編でメイン使用された旧式)
4.分裂集中お祓い棒(Extraでメイン使用された新式)
5.拡散・集中の細かい性能比較
6.分裂乱数の変動要因・乱数の仮説
7.誰か解明してください
□1.分裂の仕組みに関する基礎知識
お祓い棒分裂は、①仕込み、②素生成、③分裂という3要素から成り立っている。
どれが欠けても上手く分裂しなくなるが、最重要なのは仕込みである。
①仕込み
仕込みは分裂のための前準備であり、入力と位置取りが重要である。
お祓い棒を生成して消滅させることにより、生成から12F後に分裂の機会が与えられる。
注意事項として、お祓い棒が敵に誘導する範囲内では仕込みを行うことが出来ない。
誘導範囲外の場合、x座標は不問のため考慮する必要は無い。
y座標についてはP毎に細かな条件が存在し、y座標によって仕込み入力が異なる。
以下がP毎・y座標毎の仕込み入力の一覧である。
1F後の場合はお祓い棒生成から1F後に高速にして消滅させることを示す。
P1
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P2
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P3
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P4
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1F後
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96.5~110.0
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90.0~104.0
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83.5~97.5
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72.0~86.0
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2F後
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83.5~96.5
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77.0~90.0
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70.5~83.5
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60.0~72.0
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3F後
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73.0~83.5
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66.5~77.0
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60.0~70.5
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51.0~60.0
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4F後
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65.0~73.0
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58.5~66.5
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52.0~60.0
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43.5~51.0
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5F後
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58.5~65.0
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52.0~58.5
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45.5~52.0
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38.0~43.5
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6F後
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54.0~58.5
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47.5~52.0
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41.0~45.5
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32.0~38.0
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7F後
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50.5~54.0
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44.0~47.5
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37.5~41.0
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--
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8F後
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48.0~50.5
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41.5~44.0
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35.0~37.5
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--
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ショット周期の関係上、1F後と2F後のy座標でなければ4本分裂は不可能である。
②素生成
素生成とは、単純にお祓い棒が1本も出ていない状態で1本を生成することである。
通常プレイでも普通に行っていることだが、仕込みは3本分までしか出来ないため素生成を直前に行うことによって最大4本まで分裂が可能となっている。
素生成について特筆すべき事項は無い。
③分裂
分裂とは、既に素生成によって1本生成している状態からお祓い棒を追加生成させることである。
分裂の入力自体はとても単純であり、各仕込みからそれぞれ12F後に低速であれば条件を満たしている。
ただし、上記の入力は分裂の入力条件であり、入力条件を満たした上で乱数条件を満たさないと実際には分裂してくれない。
この乱数条件が未だに正確に解明出来ておらず、TASにおける理論値追求の妨げや人力での安定分裂の妨げになっている。
□2.分裂の火力に関する基礎知識
最初に霊夢Aの基本火力を記載しておく。
ショットは自機に関わらず、基本的に15F周期のセミオート式である。
ここではP4の場合についてのみ触れる。
メインショットは威力が14の2wayなので28。
発生は1,4,7,10,13F目となっている。
誘導札(高速サブ)は威力が13の4wayなので52。
発生は1,9F目となっている。
お祓い棒(低速サブ)は威力が100の8F周期HIT判定。
発生は1,4,7,10,13F目となっている。
霊夢Aは各種ショットを全て発射することが可能(霊夢砲)である。
120Fを全ショットの1周期として考えた場合、
28 × 5 × 8 = 1120
52 × 2 × 8 = 832
100 × 15 = 1500
1120 + 832 + 1500 = 3452
となり、1F毎の平均火力は約28.767となる。
そして分裂お祓い棒4本であれば120F間のお祓い棒ダメージは6000となる。
その際の合計ダメージは7952にまで上昇し、1F毎の平均火力は約66.267となる。
これが霊夢Aのお祓い棒分裂の理論値火力である。
□3.分裂拡散お祓い棒(本編でメイン使用された旧式)
分裂拡散お祓い棒とは、下記のTASでメイン使用された分裂お祓い棒最適解の一つである。
分裂拡散お祓い棒の場合、仕込み後に敵に向かって最大速度で移動しながらお祓い棒を分裂させ続ける。
仕込みの際に画面端近くまで移動が必要となるため、メインショットが当たらないFが一定時間存在する。
このメインショットが当たらないFを考慮し、少しでもメインショットが当たるF数を
増やすための入力がこの分裂拡散お祓い棒である。
特徴として、お祓い棒が全てばらけるように広がっていく。
基本的に生成箇所が異なればお祓い棒の配置も異なるため、この入力を行った場合に
お祓い棒が一箇所に集まることはない。
□4.分裂集中お祓い棒(Extraでメイン使用された新式)
分裂集中お祓い棒とは、下記のTASでメイン使用された分裂お祓い棒最適解の一つである。
分裂拡散お祓い棒と仕込みまでの入力に違いは無い。
分裂集中お祓い棒の場合、仕込み後に素生成を行った箇所で移動を停止し、4本とも同じ座標で分裂させ続ける。
同じ座標で分裂させ続けることで全てのお祓い棒は同じ動きで誘導し、同じ配置となる。
こうして一箇所に全てのお祓い棒を集中させる入力が分裂集中お祓い棒である。
特徴として、お祓い棒が全て一箇所に集中する。
従来の分裂方法では敵の移動によって最大火力Fが削られることが多かった。
新式はその弱点を補い、場合によっては逆に最大火力Fを増加させることを実現化した。
□5.拡散・集中の細かい性能比較
①分裂拡散お祓い棒
○メリット
メインショットの火力ロスを最小限に抑えられる
短時間の理論値が高い
移動しない相手に強い
○デメリット
お祓い棒がばらけているため敵の移動によって最大火力Fが確実に削られる
再分裂の調整猶予が厳しくなりやすい
再分裂の必要回数が多くなりやすい
②分裂集中お祓い棒
○メリット
お祓い棒が集中しているため敵の移動による最大火力Fロスが無い or 逆に増加する
再分裂の調整猶予に余裕が出来やすい
再分裂の必要回数が少なくなりやすい
長時間の理論値が高い
移動する相手に強い
○デメリット
メインショットの火力ロスが確定で発生する
諸々を考慮した上で双方を評価する。
拡散は本編の方が使いやすい。
本編は全体的に設定体力が低く、特殊調整としてボムを織り交ぜる最適解が存在する
のでメリットを生かしやすくデメリットを回避しやすい。
集中はExtra向けであり、Extraでは理論値が高くなる場面が多い。
なお、Extraに限らず本編でも一部の短縮に利用出来る可能性はある。
可能性としては1~2秒の更新猶予といったところに収まりそうだ。
それぞれの最大火力Fについてだが、拡散では約240F、集中では約280~300Fとなる。
ここから拡散はFが減る可能性が高く、集中は変動幅に収まる可能性が高い。
拡散のメリットであるメインショット火力ロスの削減だが、集中との差は約84である。
対して集中のメリットである再分裂必要回数削減の可能性だが、再分裂回数が削減
出来た場合の火力上昇値は約1556である。
この内訳は画面端近くへの移動によるメイン火力ロスが約756、一度分裂お祓い棒を消滅させる際のお祓い棒火力ロスが約800となっており、最速で再生成出来なかった場合にはお祓い棒の火力ロスが2F毎で100、メインショットの火力ロスが3F毎で28が積み重ねられていく。
現状のお祓い棒の仕様解明度と照らし合わせてリスク・リターンを考えた場合、拡散を使用するのはあまり現実的ではないことが分かる。
□6.分裂乱数の変動要因・乱数の仮説
最初に断りを入れておくが、ここで記載する内容は大体が推測の域を出ないものばかりである。
変動要因はショットの発射であり、これは確定事項である。
ショット以外では絶対に変動せず、被弾・ボム使用・残機数や残ボム数・最大得点等の数値がいくら変動したところで分裂の挙動に違いが生じることは確実に無い。
そして、お祓い棒の生成では小さく乱数が変動し、誘導札の発射では大きく乱数が変動する。
こちらは推測であるが、大体そのように変動するのは結果から窺える。
一番不確かな仮説となるが、画面内ショット残留数やショットの配置によって乱数が
変動すると推測される。
こちらは情報不足のため、信憑性はほぼ無いと思われる。
とにかくデータが不足しているの一言に尽きる。
もっとデータが集まらないことにはお祓い棒分裂を正確に解明することは出来ない。
□7.誰か解明してください
誰か解明してください。