オオワシ妖夢は弱いのか【東方鬼形獣】

※製品版と体験版共通の仕様の話なのでネタバレ要素は無し


オオワシ妖夢は弱いのか
 ネットの広い範囲でオオワシ妖夢について弱いという意見が見られます。
 特に多く見られるのが「斬撃の威力が低い」といった内容です。
 また、神主が自ら「オオワシ妖夢は一番難しい」という発言もしています。
 では、実際に性能はどうなっているのかを説明していきます。


〇斬撃の威力について
 結論から述べてしまうと、他の妖夢に比べて斬撃の威力は低いです。
 ただし、これはオオワシ妖夢が弱いということの本質的な部分では無いです。
 斬撃の威力設定が低い訳ではなく、その他の要因があります。


オオワシ妖夢が弱い要因
 ここからの内容が本質的な部分になります。
 説明するにはダメージキャップについて先に触れておく必要があるので説明します。

★ダメージキャップ

 ダメージキャップは「1フレーム(1/60秒)に与えられる最大ダメージ」のことです。
 例えばですが

  ダメージキャップ値:60
  ショットAの威力:20
  ショットBの威力:10
  ボムの威力:40

 上記の条件で攻撃が同時に命中した場合の与ダメージはどうなるか。
 ダメージキャップは60、攻撃の合計威力は70
 ダメージキャップを上回った威力は全て無駄になります。
 つまり、実際の与ダメージは60となります。
 では、次に実際の鬼形獣の各自機のダメージキャップをご覧ください。

                                        
オオカミ
カワウソ
60
60
60
160
160
160
160
160
60


 何かがおかしいのが見てすぐに分かると思います。
 そう、他妖夢と比べてオオワシ妖夢だけ明らかにダメージキャップが低いですね。
 オオカミとカワウソ妖夢のダメージキャップは160オオワシ妖夢60
 つまり、オオワシ妖夢は他妖夢に比べてダメージキャップ値が37.5%しか無いのです。
 これがオオワシ妖夢が弱いと言われる全ての元凶の正体です。
 
妖夢のショットの威力(内容が細かいのでザックリ理解したい方は読み飛ばし推奨
 ここで記載しているのは全てP4のショット、暴走時はPに依存しない固定ショット。

 メインショット:1way威力14、2way発生

 斬撃共通仕様:発生順に高威力、常時判定あり(15フレーム固定、理論値14フレーム)
        斬撃複数同時ヒット時は威力の高い方のみが判定される
   通常斬撃:6斬撃発生→130,120,110,100,100,100
 オオカミ斬撃:8斬撃発生→130,120,110,100,100,100,90,90
 オオカミ暴走:8斬撃発生→80,80,70,70,70,70,70,70
 ※オオカミ暴走の方が威力が低いのは60フレームのチャージが不要のため

 通常高速ショット:自機に近いオプションから順に威力14, 14, 13, 13
 オオワシショット:3wayオプション順、8/14/8, 8/14/8, 8/14/8, 8/13/8
   オオワシ暴走:発射回数発射way数が多いので詳細威力割愛
          5way→6way→4wayの3フレームで1セット、5セットで1周期
          密着威力、5way50, 6way60, 4way40

 ボム:1斬撃威力30、持続15フレーム(最大ヒット12フレーム)


通常
強化
暴走
メイン
14×2
--
--
低速
130,120,110,
100,100,100
130,120,110,100,
100,100,90,90
80,80,70,70,
70,70,70,70
高速
14/14/13/13
8/14/8, 8/14/8,
8/14/8, 8/13/8
密着50,60,40
ボム
30
30
--



〇ダメージキャップがオオワシ妖夢に及ぼす実際の影響
 実際にオオワシ妖夢の与ダメージにはどのような影響が出るのか。
 斬撃がダメージキャップの影響で威力が下がっているのは言うまでも無いです。
 では、斬撃以外のショットの威力に影響は無いのかというと答えはNoです。

 例えばオオワシ妖夢の高速ショット、各オプションから3wayのショットが発生します。
 各威力は表の通りで、3wayの合計威力は30,30,30,29となり、総合計は119です。
 ここにメインショットの合計威力28が加わると147となります。
 自機とオプションを完全に敵に密着させて高速ショットを撃てば同時に全弾ヒットします。
 この場合に敵に与えるはずだったダメージの147はダメージキャップ60の存在によって60ダメージとなり、87のダメージを損失することになります。
 更にボム発動中は1ヒットにつき威力30(最大2本60、カワウソ時は最大3本90)のため、前述した全弾ヒットの場合以外でも容易にダメージキャップ値60をオーバーします。

 つまり、低速ショットの斬撃を使わなくてもいつでもダメージキャップに引っかかる可能性があり、オオワシ妖夢は全体的な火力が低下している状態なのです。


〇総評
 最後に再度「オオワシ妖夢は弱いのか」について。
 結論から言うと、妖夢のタイプの中では一番弱いです、これだけは間違いないです。
 ただし、全自機の中で一番弱いかと言うと、使い手次第ではないでしょうか。

 例えば、キャップ値で見ると霊夢は全タイプともキャップ値が60です。
 しかし、極端に火力が低いと感じることは無いはずで、良くも悪くもいつも通りです。
 ダメージキャップも確かに重要なのですが、総合的な自機の火力として見られるのは平均的な火力、DPS1秒間に与える平均的なダメージ量)と呼ばれるものです。
 瞬間的なぶっ飛んだ火力でも一瞬しか持続しなければDPSは低くなるし、長時間ほぼ変動しないそこそこの火力の方がDPSが高くなることもあります。
 オオカミ霊夢が分かりやすいですが、当たり方で多少変動はするものの高頻度で発生するオオカミ暴走ショットにより、キャップ値内での高ダメージを高頻度で維持することで安定した火力が出る自機になっています。
 魔理沙はキャップ値こそ160に(珍しく)設定されていますが、実際はそのキャップを生かせるダメージソースが無いため実際の火力は並程度(低くは無い)です。
 オオカミ暴走が強く、マスパがキャップ開放で強化されているのでオオカミ暴走とマスパ主体で火力を補えばボスが割と楽です。
(近年の基本キャップ値は60、通常のマスパ威力は80、カワウソスパークの威力は105)

 さて、オオワシ妖夢ですが、ボス戦はボムや暴走を使わないと全自機中一番苦労すると思うので、決めボムしつつ暴走を利用して切り抜けるしかないと思います。
 逆に道中は高速ショットやオオワシ暴走で敵を殲滅しやすく、威力の低下した斬撃でも置き斬撃しておけば硬い妖精の撃破も霊夢魔理沙よりは容易だと思います。

 冷遇された自機性能ではありますが、過去に弱自機と称された一部の自機から比べると普通に性能は標準なので、クリアを目指す方は自機の性能を正しく理解して諦めずに挑戦し続けて欲しいです。